なぜ治験(新薬開発)に健康な方が参加するのか?と疑問に思う方も少なくないは
ずです。実際、弊社にも「なぜ健康な人がくすり(治験薬)を飲むのか?」という質問
のご連絡が頻繁にあります。
健康な人が治験に参加する理由は新薬を開発をする過程の中で必ず、健康な方
に協力をえて、治験薬を試して頂く必要があるからです。
新薬が誕生してみなさんの手元に届くまでには10年~20年かかります。
その長い月日の間にいくつもの段階をがあります。
大きくわけて、以下のようになります。
1、基礎研究
2、非臨床試験(動物実験により有効性・安全性を確認する)
3、臨床試験=治験(第1相試験、第2相試験、第3相試験)
4、市販後の臨床試験(第4相試験)
「治験」とは安全性(副作用はないか)や有効性(効き目はどうか)などを適正な基
準に沿ってヒトを対象に行う試験のことをであり、新薬として薬を市販するには日本
では厚生労働省、米国ではFDA(Food and Drug Administration)への申請と認可
を得るために必要な治験には、以下の3段階の過程があります。
第1相試験(フェーズ1)
「健康な成人」を対象に、安全性(認容性)と薬物動態(体に投与された薬物
が、体のどの部分にどれくらい存在するかを時間を追って解析する)を調べる
ため、非常に低い投与量で行う試験
第2相試験(フェーズ2)
少数の「患者さん」を対象に、第1相試験で安全性が確認されている範囲内で
投与量を上げながら、治験薬の効果と安全性について調べ、また、適切な薬
の用法・用量などを検討する試験
第3相試験(フェーズ3)
多数の「患者さん」を対象に、有効性・安全性を確認するための試験
第3相試験(フェーズ3)終了後、厚生労働省(米国ではFDA)から医薬品として承認
された薬が発売され、一般のみなさんが服用できるようになります。市販後にも引き
続き行う治験を第4相試験(フェーズ4、市販後の臨床試験)と呼び、新薬の市販後
調査も含め、より多くの患者さんを対象に治験を行い、安全性や有効性の確認をしま
す。